こんにちは。
シュウです。
2024年10月12日から始まった第37回アメリカズ・カップ、遂に勝者が決まりましたね。
エミレーツ・チーム・ニュージーランドとイネオス・ブリタニアで争われたアメリカズ・カップ。
ニュージーランドがその2大会連続防衛を成し遂げるのか、それとも、アメリカズ・カップ有史以来、カップがイギリスに戻るのか、どちらにしてもアメリカズ・カップの歴史に刻まれるべき偉業です。
それでは、レース7以降を見ていきましょう。
5日目
レース7
プレ・スタートでの激しい位置争いで、イギリスが有利なポジションでスタートしましたが、ニュージーランドの方が若干速く、最初のタッキングでイギリスの風上に立ちます。乱された風を嫌ったイギリスはもう一度タック。これでニュージーランドは130mほどの差を築きました。しかしイギリスも負けじと食らいつき、ニュージーランドがマークを旋回するときにはその差は60mまで縮まりましたが、先に旋回したニュージーランドが追い風でまた差を広げ、イギリスが旋回した時には差は270mほどに広がっていました。その後もニュージーランドの快走は続き、レグを重ねるごとに差を広げていき、最終的には1100m以上もの差をつけてゴール。ニュージーランドの圧勝でした。
NZ:5 - 2:EN
レース8
プレ・スタートでの攻防はニュージーランドが制しましたが、レース7と丁度入れ替わったような位置で両チームスタート。これはもしかして、イギリスのスピードが速ければ、ニュージーランドが不利な位置に追い込まれてしまうかもしれない。と危惧しましたが、イギリスは勢いには乗れず、ほどなくしてタッキング。これでニュージーランドはまたしても130m以上の差を得ることが出来ました。追い風のレグ2に入るとその差はさらに拡大、270mほどに。更に不運なことにイギリスがジャイビングでミス。数秒着水ししてしまいスピードが落ちたころで差は400m以上に。その後もニュージーランドは危なげないレース運びで差を広げ続け、またしても1000m以上の差でゴール。カップ防衛に王手をかけました。
NZ:6 - 2:EN
いよいよあと1勝でニュージーランドのカップ防衛というところまで来ました。
明日の6日目で勝者が決定するのか、それともイギリスが意地を見せまだまだ勝負の行方を分からなくするのか。
6日目
レース9
プレ・スタートの攻防ではイギリスが優位に運び、良い位置でスタート。ニュージーランドはスタート後すぐにタックし、イギリスとは反対側に進路を取りました。これでイギリスが40mほどのアドバンテージを得ましたが、その後はタックごとに順位が入れ替わる僅差での展開。かと思いきや、レグ1も半分を過ぎた頃から、ニュージーランドが先行し差を広げだしました。200m以上の差をつけてトップマークを旋回、レグ2に。そして、レグ3に入るころには差は300mまで広がっていました。このまままた大差でニュージーランドの勝利かと思いきや、イギリスも粘ります。レグ3の半ばで30m差まで追いついてきました。ここまでくると、ミスしないまでも風の具合で順位が入れ替わる距離です。しかしニュージーランドも負けてはいません。見事な操船でイギリスの行く手を阻み、先行を許さないままマークを旋回。両チームともほぼ同時に旋回したように見えましたが、ほんの僅か先に旋回したニュージーランドが良い追い風に乗り一気に差を170mまで広げました。追いすがるイギリス。しかしうまい具合に進行方向をニュージーランドに抑えられ、思うようなコース取りが出来ません。リードを保ったままニュージーランドが最終レグへ。17秒差で後を追うイギリスがマークを旋回。その差は370mまで広がっています。追い風の最終レグ、スピードに乗ったニュージーランドは580mもの差をつけて勝利しました。
1995年にカップがアメリカから離れて以来、2大会連続防衛を果たしたチームはありません。
その記録すべき偉業をエミレーツ・チーム・ニュージーランドが成し遂げた瞬間でした。
レース直後のクルー達。嬉しそうな笑顔です。
翌日のカップ授与式。
カップを高々と掲げるピーター・バーリングとシャンパンファイトするクルー達。4年間の努力が実を結んだのですから、喜びもひとしおでしょうね!
アメリカズ・カップはいまでもニュージーランド・カップ
1995年の第29回大会でニュージーランドが勝利した際に、実況のピーター・モンゴメリーが「The America’s cup is now New Zealand’s cup!!」と言い、続く2000年の第30回大会でニュージーランドがカップ防衛した際には「The America’s cup is still New Zealand’s cup!!」と叫びました。この時は僕も中継を見ていて、うまいこと言うもんだなと思ったのを覚えています。
その後、カップは他のチームに行ってしまいましたが、2017年に取り戻して以降、カップはニュージーランドにあります。
次回大会の詳細はまだ未定ですが、是非、次も防衛して新たな歴史を刻んで欲しいですね。
今大会では、ルイ・ヴィトン・カップもアメリカズ・カップも見ごたえのある素晴らしい大会でした。また、僕がリポートしたアメリカズ・カップ以外にも、ユース・アメリカズ・カップ、女子アメリカズ・カップ、eアメリカズ・カップと沢山の競技が併催されました。どれも盛り上がったのではないかと思います。
次の大会は、特別な争いが起きなければまた4年後の2028年。次こそはニュージーランドで開催してもらいたいものです。
Sail GP
アメリカズ・カップはまた4年後かと思うとちょっと寂しい気にもなりますが、そんなヨットレース好きなあなた!
来月からSail GPのシーズンが開幕します。
総勢11チームで行われる海のF1。もちろんニュージーランドも参戦してます。
参戦チーム
オーストラリア
アメリカズ・カップではNYYC・アメリカン・マジックのヘルムを務めたトム・スリングスビーが率いるチーム。強敵です。
カナダ
全てカナダ人で纏められたチーム。クルーにはアメリカズ・カップ経験者も多く、侮れない存在です。
イギリス
アメリカズ・カップではイネオス・ブリタニアを率い、ヘルムも務めたベン・エインズリーがCEOを担い、クルーにはオリンピック金メダリストを複数名を連ねるチーム。
フランス
アメリカズ・カップでオリエント・エクスプレスを率いたクァンタン・デルピエールがドライバー兼リーダーのチーム。もちろん速いです。いつも上位にいる印象。強敵です。
ドイツ
Sail GPのシーズン4(2023年)から参戦。クルーにはオリンピアンを複数名有し、発起人にはF1チャンピオンのセバスチャン・ベッテルもいます。まだまだ若いチームなので成績は振るいませんが、成長株でもあります。
ブラジル
今シーズンから新しく参戦するブラジル。ドライバーはマルティーヌ・グラエル。女性セーラーです。複数の世界大会や2020年の東京オリンピックで優勝した経験を持つ人物。期待大なチームですね。
ニュージーランド
アメリカズ・カップでメインヘルムを務めたピーター・バーリングとメイントリマーを務めたブレア・トゥクという強力なメンバーのチーム。常に上位にいますが、実は混戦が苦手。1対1だと強いのですが、10艇というような混雑するスタートは失敗が多いんですよね。今期はどうなるのか、期待しています。
デンマーク
世界的セーラーやオリンピアンを有するチーム。シーズン3の優勝チームでもあります。派手さはないものの、安定して上位にいるチームです。
スペイン
Sail GPに参戦するチームの中で最も平均年齢が若いクルーたちのチームです。それでも複数のオリンピアンや世界大会チャンピオンが揃っており、ここ一番の速さがあるダークホース的チームです。
スイス
シーズン3(2023年)より参戦し、ドライバーはSail GPでは一番若いセバスチャン・シュタイナーが務めます。
アメリカ
世界大会で7度の優勝経験があるテイラー・キャンフィールドがドライバーを務めるチーム。以前は、今アメリカズ・カップでルナ・ロッソ・プラダ・ピレリのヘルムを務めたジミー・スピットフィルがドライバーで成績も好調だったのですが、大人の事情?でシーズン3からチームが一新、それからは低迷が続いています。
以上の11チームで争われるSail GP。2024-2025シーズンは全14戦が予定されています。
レースカレンダー
第1戦 ドバイ・アラブ首長国連邦 2024年11月23-24日
第2戦 オークランド・ニュージーランド 2025年1月18-19日
第3戦 シドニー・オーストラリア 2025年2月8-9日
第4戦 ロスアンゼルス・アメリカ 2025年3月15-16日
第5戦 サンフランシスコ・アメリカ 2025年3月22-23日
第6戦 リオデジャネイロ・ブラジル 2025年5月3-4日
第7戦 ニューヨーク・アメリカ 2025年6月7-8日
第8戦 未定・イギリス 2025年7月19-20日
第9戦 ザスニッツ・ドイツ 2025年8月16-17日
第10戦 ターラント・イタリア 2025年9月6-7日
第11戦 ジュネーブ・スイス 2025年9月20-21日
第12戦 カディス・アンダルシア・スペイン 2025年10月4-5日
第13戦 未定・中東 2025年11月7-8日
第14戦 アブダビ・アラブ首長国連邦 2025年11月29-30日
Sail GPの観戦方法
今シーズンの観戦方法はまだ発表されていませんが、昨シーズン通りであれば、Sail GPのYouTubeのオフィシャルチャンネルで観ることが出来ます。
国によっては配信会社があったりして、その場合はそちらが優先されるためYouTubeでは見ることは出来ませんが、VPNを使えばYouTubeで観戦可能です。
普通に配信会社で見ればよくない?と思ったあなた!
実は不便なこともあるんですよ。実はニュージーランドでのSail GPの配信権を持つのはTV3というテレビ局なのですが、リアルタイムでは視聴できるのに、録画となると視聴可能になるのに何日かかかるんですよね。
リアルタイムでは見れないけど(夜中だったりするし)、でもその日のうちには見たい!
なので僕は、VPN使ってYouTubeのアーカイブを観てます。
僕はSurfSharkというVPN会社を使ってます。月々の利用料がめっちゃ安かったから選んだんですが、これといったトラブルるもなく快適に使えてるのでお勧めできます。
こちらの紹介リンクから登録して、1カ月以上使うと無料の1カ月がついてくるそうなので、良かったらどうぞ。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。