こんにちは。
シュウです。
ニュージーランドでの生活において、自動車はとても重要です。
オークランドなどの大都市の中心地にお住いなら、もしかしたら車はなくても生活できるかもしれませんが、ほとんどの場合、自家用車が無いと不便極まりないこと請け合いです。
自動車を買う時の最初の選択肢
車を買うにあたっての選択肢は、新車を買うか中古車を買うか、というのがまず最初に来ますよね。
新車を買う
家計に余裕がある方は新車を選べば、ディーラーからの向こう数年の保証が付いてきますから、安全安心と言えるでしょう。
中古車を買う
問題は中古車を購入する場合ですよね。
新車を買うよりずっと安く買える反面、騙されはしないか、直ぐに壊れはしないか、いろいろな不安がセットで付いてきます。
でも、中古車ディーラーから買う場合は、その不安はだいぶ和らげられます。
中古車ディーラーから買う場合
中古車ディーラーは、自動車販売法、消費者保証法、公正取引法などにより、一定期間、安全に運転できる状態の車を販売することを義務付けられていますので、もし直ぐに故障した場合や、もともと壊れているのにそれを隠していた場合などは、中古車ディーラーに修理をしてもらうか、返品返金をしてもらう権利が消費者側にあるのです。
中古車ディーラーとのトラブルの話
これは僕の友人の体験した話です。
ダニバークに住む友人は、オークランドの中古車ディーラーから中古車を購入しました。その車でダニバークに帰ってきている途中でギアボックスが壊れ、身動きできなくなってしまいまったのです。
取り敢えず最寄りの修理工場にレッカーで車を移動させ、友人は販売元のディーラーに連絡。この時友人は、修理代の折半をディーラーに持ちかけましたが、ディーラー側は自分たちに責任はないと拒否。
これから泥沼の裁判劇に突入していきました。裁判所がオークランドだったため、友人は何度もダニバークからオークランドへ出向く羽目に。その度に交通費や宿泊費がかかりました。
がしかし、正義の女神は友人に微笑みました。裁判所は、中古車ディーラー側に修理代の満額保証と裁判にかかった友人の弁護士費用、交通費および宿泊費の全ての支払いを命じたのです。
中古車ディーラーが、最初に友人が申し出た修理代折半に応じていれば、出費は少なく済んだのに。。。
全てのケースでここまで保護されるかどうかはわかりませんが、基本的には、消費者側はかなり守られていると言ってもいいと思います。
中古車を個人売買で買う
問題は、個人売買です。
同じ様な年式や走行距離の車なら、安く買えればその方が良いと思うのは人の心理ですよね。
個人売買なら、中古車業者から買うよりもだいぶ割安で購入できるケースが多々あります。
TradeMeやFacebookのマーケットプレイスなどで手軽に探すことが出来ますしね。
ですが業者から買うのとは違って、個人売買の場合は売る側には何の義務もありません。(完全にないわけではないのですが、ケースが限定されているので何もないと考えていた方が良いでしょう)
なので、買う側がしっかりとチェックする必要があります。
車に詳しい方ならこの辺はリスクは抑えられますね。
心配なのは車に詳しくない方の場合です。
中古車の購入前チェックについて
プロによる有料の事前チェック
車に詳しくない方の場合にはプロによる事前チェックをお勧めします。
どの修理工場でもやってくれますし、AA(日本でいうJAFみたいなところ)でもやってくれます。AAなら出張点検も有りで、オンラインで予約できるので活用するといいでしょう。少々費用は掛かりますが、悪い車を掴まされるよりはマシですしね。
自分でチェックする場合
買うかどうかわからない車をお金かけてチェックするのはちょっと。。。という方もいらっしゃるかと思います。
ご自身で購入前点検をする場合は、NZTA(ニュージーランド交通局)が提唱しているチェックリストを参考にすると良いでしょう。
Tips for buying a used car(英語)
このページをざっと翻訳すると以下のようなことが書いてあります。
ニュージーランド交通局が提唱するチェック項目
中古車購入のヒント
・パッと見えるところだけでなく、隅々まで注意深く確認してください
・購入しようとしている車のセーフティレートをrightcar.govt.nzで確認しましょう。
・車を見に行く時は出来るだけ晴れている昼間を選びましょう。
・車が古くて安いほど何らかの問題がある可能性が高くなります。エンジンの摩耗や車体の錆に注意しましょう。
・車になんらか問題がある場合、修理可能か、また、その費用はどれぐらいかを把握しておきましょう。
・原則として、車検合格から1カ月以内の車が販売可能なので、車検合格の日を確認しましょう。
・上記の決まりはあるものの、「現状渡し」での販売も認められています。その場合は、売主は買主が車を車検場まで持って行ける状態であることのみを保証すればいいので、車検に合格するかどうかは買主の責任となります。
・買おうとしている車がリコールなどの対象になっているか確認しましょう。こちらから確認できます。
見るべきチェックリスト
車外のチェックポイント
・車体の錆:主要な車体構造の錆は車検落ちの原因となり得るので注意が必要です。
・錆びやすい箇所としては、エンジンルーム内、車内やトランクのカーペット下、スペアタイヤエリア、給油口周辺、などです。
塗装
新しい塗装は何かを隠そうとしている可能性があります。他の部分と比べて色合いが違うところや、スプレーペイントが飛び散ったような箇所があったら、その部分を注意深く確認してください。
ショックアブソーバー
・視認してオイル漏れがないか確認しましょう。オイルが漏れていると車検不合格となります。
・車の四隅をそれぞれ下に押して揺らしてみてください。何度か押してすぐに揺れが止まればOK。そうでなければショックアブソーバーがヘタっています。車検には問題ありませんが、乗り心地や安全性に問題があると言えるでしょう。
・車全体を見て、四隅のどこかだけ沈んでいないか確認しましょう。もし沈んでいるところがあれば、そこのショックアブソーバーは要交換です。
タイヤ
スペアタイヤを含む全てのタイヤを確認しましょう。タイヤは、全周の3/4で1.5mm以上のトレッドが残っていなければいけません。
・スリップサインを確認してください。タイヤに数カ所設けられているスリップサインまで減っている場合は交換が必要です。
(参照:ブリジストン)
・タイヤの摩耗状態も確認しましょう。タイヤが均一に減っているかどうか、偏摩耗しているようならホイールアライメントがずれているか、ブレーキが片効きしているなどのブレーキバランスが崩れている可能性があります。
外装パネル
全てのドア、ボンネット、トランクがスムーズに開閉するか確認しましょう。それぞれのボディとの隙間も見ましょう。変に隙間が広いまたは狭い場合、事故をして修理した可能性があります。
排気
排気漏れがないか確認しましょう。エンジンをかけて、手ぬぐい等で排気口を軽く塞ぐと、正常であれば、排気圧で手ぬぐいが押されます。そうならない場合は、どこからか排気ガスが漏れていることになります。
これは車検に通らないばかりか、危険でもあるので注意が必要です。
車内のチェックポイント
ダッシュボード周り
・各種スイッチが正常に作動するか確認しましょう。ヘッドライト、フォグライト、ブレーキランプ、ハザードランプ等が点くかどうかも要確認です。
・ワイパーやウォッシャー液が動くことも車検に必須ですので確認しましょう。
・サイドミラーの調整が出来るかどうかも要確認です。
シートとシートベルト
・シートがボディにしっかりと固定されているか。
・シートの固定部分に過度な錆がないか。
・全てのシートにシートベルトがあるか、また、ちゃんと動くか。
・シートベルトに傷やほつれ、過度な日焼けがあると車検落ちの原因となります。
雨漏り
車内やトランクに雨漏りがないか確認しましょう。雨漏りがあるとボディ腐食の原因となります。
エンジンルームのチェック
エンジンが汚れている場合、車両が適切なメンテナンスをされていない可能性を示しています。ですが、逆にピカピカに清掃されている場合は、何らかの欠陥(大抵はオイル漏れ)を隠すためにエンジンルームの洗浄を行った可能性があります。
・エンジン回りで確認するのは、擦り切れたり燃えたりした配線が無いかどうか、ひび割れたり抜けたりしている配管がないか。また、燃料漏れがないか、過度なオイル漏れがないかを確認しましょう。
・エンジンオイル量のチェック。エンジンオイルのレベルゲージを抜いて、適量が入っているか、特段汚れていないかを確認しましょう。少ない場合は、エンジンオイルが漏れているか、またはエンジン内部の摩耗によりオイルが燃えている可能性があります。
・エンジンをかけて数分アイドリングしてから、アクセルを踏み込んだ時にマフラーから青白い煙が出ないかどうか確認します。もし大量に出るようなら、エンジン内部の摩耗によりエンジンオイルが常に燃えている状態と推測できます。(ガソリン車のみ)
ラジエターのチェック
注:エンジンが冷えている状態で確認してください。熱い時にキャップを開けるとラジエター液が吹き出て火傷をする可能性があります。
・ラジェターキャップを外し、中の冷却水の状態を確認しましょう。緑または赤の液体が上まで入っていればOKです。ただの水または錆びた水の場合、あまりいい状態とは言えません。冷却水にオイルが浮いているような場合、重大なエンジントラブルの可能性があります。注意して確認してください。
・ラジエター周辺に冷却水漏れがないかどうかを確認しましょう。ラジエターホースが変に膨らんでいたりすると要交換です。
試乗してみる
車に乗る前に
車に保険がかけられているか確認してください。保険に加入していない車を運転すると、損害賠償責任を負う可能性があります。
運転前の点検
車に乗ったら、一旦、エンジンは欠けずにイグニッションをオンにだけして次のことを確認してください。
- 警告灯が全て点灯しているか。点灯しない場合は故障の可能性があります。
- オイルと冷却水レベルのライトは数秒後に消えるか。消えない場合、エンジンオイルや冷却水が少ない可能性があります。
- サイドブレーキを解除して、サイドブレーキ ライトが消えるか。消えない場合、ブレーキをいるレベルが低い可能性があります。
アンチロック ブレーキ システム (ABS) やエアバッグ ライト (SRS) には、それぞれ独自のテスト シーケンスがあります。車両のマニュアルをチェックして、その内容を確認してください。点灯したままになっているライト、特にブレーキや冷却水レベルのライトに注意してください。
エンジン始動の際の確認
可能であれば、エンジンが冷えた状態でエンジンを始動してください。
次のことを確認しましょう:
- スターターモーターは素早く回転し、モーターは素早く始動するか。
- バックファイアや排気ガスのガラガラ音などの異音がないか。
- エンジンをかけて数秒以内に油圧ランプが消えるか。
- 排気口から青い煙は出ていないか。(エンジンの下の注記を参照してください。)
試乗中に確認すること
試運転中は、問題を示す可能性のある異音がないか注意してください。
- 車が走り出した時や停車した時に異音がする場合は、エンジンマウント、排気装置、サスペンション、トランスミッション、またはドライブシャフトに問題がある可能性があります。
- エンジンからのカタカタ音やガラガラ音は、ロッドベアリング、ピストン、ピストンピンの故障によるものと考えられます。
- ギシギシ音やうなり音は、ギアやベアリングの摩耗を意味する可能性があり、修理には高額な費用がかかります。
- ブレーキをかけた際にキーキーという音がする場合は、新しいブレーキパッドまたはライニングが必要である可能性があります。
駐車場などでの試運転
空いている広い駐車場で、ステアリングを左右のどちらかに回し切り低速で運転してみてください。車両の前方からカタカタカタとリズミカルな音が聞こえる場合は、CVジョイントが摩耗して交換が必要であることを示している可能性があります。
エンジン始動中の匂いに注意
- オイルの焦げた臭いは、エンジンが摩耗していることを示している可能性があります。
- ガソリン車の排気煙は排気漏れの兆候である可能性があります。排気漏れにより一酸化炭素が車内に侵入し、運転中に意識を失う可能性があります。
車両の加速テスト
- アクセルを踏んだとき、エンジンは失速したりパワーが失われたりすることなくスムーズに動か。
- 足を離すとエンジンはスムーズに停止するか。
登り坂テスト
試乗の際に登り坂でのテストもしましょう。登り坂では、車から青い排気煙 (エンジンオイルの燃焼による) が出るかどうかを確認するの丁度いいのです。坂の登り口まで来たらアクセルを踏み込んでみてください。エンジンに不備がある場合、加速に時間がかったり、マフラーから大量の煙が出ることがあります。
車両のブレーキテスト
- ペダルを踏むとすぐに反応するか。
- ブレーキングの際に車が左右にぶれずに真っ直ぐに停止するか。
他に車のいない道路で、時速約 30 km ぐらいでの緊急停止をしてみてください。ブレーキペダルをしっかりと踏み込んでの停車テストですが、タイヤがロックするほどの急ブレーキではありません。車がすぐがまっすぐの状態で減速するかを確認しましょう。
車のギアのテスト
- ギアチェンジは簡単にスムーズにできますか?
- 数回素早くシフトダウンしてみてください。ギシギシという音がする場合、 ギアボックスに修理が必要な可能性があります。
- 車がオートマチックの場合、ギアはスムーズに変わりますか?予期しないギアチェンジやシフトショックは気を付けるべき症状です。
- トランスミッションオイルは透明な赤色ですか? 濁っていたり、焦げた臭いがする場合はギアボックスに問題がある可能性があります。
最終確認
車を止めて、エンジンをかけたままにしておきます。
ボンネットを開けてエンジン回りを確認しましょう。
- 煙が出ていないか。
- 油や水漏れがないか。
- 冷却システムまたは電気システムの問題はないか。
以上がニュージーランド交通局の提唱する、中古車購入前の個人チェック項目です。
車の情報確認
CARJAMというサイトでナンバープレートの番号を入力すると、その車の様々な情報を見ることが出来ます。
車のカタログ情報、オーナーヒストリー、走行距離の伸び方、車検の合否記録、その車が抵当に入っているかどうか、など一部有料ですが有益な情報を確認することが出来ますので、購入前にはチェックすることをお勧めします。
長ーくなりましたが、皆さんの中古車購入の役に立てていただければ幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。