こんにちは
シュウです。
今年2本目の記事!
もう8月なのに。。。
ご無沙汰しております。
さて今回は、我が家の末っ子が遂に運転免許を取得したので、これを機に今回はニュージーランドの自動車運転免許制度について書いてみようと思います。
トラックやバイクの免許はまた別のシステムなので、今回は普通自動車の免許に限る内容にとどめておきます。
ニュージーランドの普通自動車運転免許取得制度
3段階の運転免許システム
日本だと、一般的には教習所に通い運転免許を取得しますよね。
ここニュージーランドでは、一般的なのは自力でトライすること、です。が、こう書くと日本の様な難関な運転試験に自力で臨むのかと思われるかもですが、その実は、段階的に運転免許を取得できるようになるシステムになっており、それぞれのステップは自力と周りのサポートとで十分合格できるものなのです。
3段階とは次のようになっています。
1段階目:Learner(ラーナー)
2段階目:Restricted(リストリクティッド)
3段階目:Full(フル)
16歳になるとLearnerを取れて、18歳でFullを取得できるようになってます。
では、それぞれの段階を詳しく説明していきましょう。
Learner
まず第一段階のLearnerですが、これは隣りに2年以上のFull保持者が同乗している場合だけ運転できる免許です。試験はTheory(学科)テストのみで、16歳になったその日からテストを受けることが出来ます。
勉強方法は簡単です。Road Codeという交通ルールが記された本を買って読む、というのが昔ながらの方法でしたが、今は、ニュージーランド交通局が運営しているオンラインで学ぶことも出来るようになってますので、今の若い人達にはスマホでするクイズ感覚で勉強できるでしょう。Road Code自体もオンラインで読めます。
テストはAA(日本でいうJAFみたいなところ)で受験できます。以前は予約なしで行けばそこで受験できましたが、最近は混雑していることも多く、事前予約が必要な場合もあるようです。
テスト方式は選択式です。AAに備えつかれているコンピューターで行います。問題数は35問で、32問以上の正解で合格になります。
設問に回答を選択するごとに正否が分かるので、自分が今何問間違えているのかが如実に分かります。3問までしか間違えられないので、間違えると次からドキドキしちゃうかもしれませんね。
まぁ、至極簡単な内容のテストなので、事前に一通り勉強しておけば一回で合格できると思います。
このテストに合格した日から一般道路を運転できるわけですが、同乗者(大体は親)が教えながら運転に慣れていくという段階です。一般道を運転できるとは言っても、いきなり街中を走るケースは稀で、大体は、休日の人がこない広い駐車場などで練習することから始めるようです。我が家の場合は、住人以外ほぼ誰も通らない家の前の道路を行ったり来たりして練習させました。
ひとつ気を付けなければいけないことは、Learnerドライバーが運転する際は、黄色地に黒の”L”が書かれたプレート(最近はビニール製が多い)を窓や車体に貼っておくことが義務付けられているということです。
このプレート(Lプレートと呼ばれています)を掲示しておくことで、周りの人たちに、運転の練習中であることを認知してもらえますので安全対策にもなります。
Lプレートは、ニュージーランド国内のカー用品店や量販店などで売ってます。
吸盤で窓に貼るタイプ、静電気で窓に貼るタイプ、磁石でボディに貼るタイプ、色々ありますのでお好みで選べばいいでしょう。
尚、既製品である必要はないので、自作してもOKです。その場合は、サイズが限定されていますのでその様式にしたがってください。
厳密なルールを言うと、Learnerドライバー以外が運転する場合は、このLプレートは外さなくてはいけないので、簡単に着けたり剥がしたりできる静電気タイプが一番便利かと思います。
因みに、この同乗者の心得的なことも交通局のサイトにありますので、お子さんなどの同乗者になるという方は一度見ておくとよいでしょう。
このLearnerを取得して半年たつと、次のステップであるRestrictedのテストを受けることが出来ます。
Restricted
このRestrictedとは、朝5時から夜10時までの間は一人で運転してよく、それ以外の時間はLearner同様、隣りに運転を監督してくれる同乗者が必要な運転免許です。
Learnerを取得して6カ月経つとRestrictedのテストを受ける権利が得られるので、交通局のサイトで最寄りの、または受けたい日が空いている試験官の予約を取りましょう。
テストは試験官が同乗し一般道で行われます。見られるポイントは、シートベルト、出発前の安全確認、運転中の安全確認、縦列駐車やUターンなどです。
テストには自前の車を持って行く必要があり、ヘッドライトやウインカー、ホーンなどの動作確認もされるので、事前にチェックしておいた方が良いでしょう。このどれかがダメだった場合、その場で不合格となってしまいます。
テスト時間は約1時間。居住地以外の街でも受験できますが、街中や郊外まで行ったり来たりの運転を繰り返しますので、慣れている街で受ける方が合格しやすいと思われます。
また、Theoryテストと同様、こちらもオンラインでどのようなことに注意したらよいかが学べるようになっています。
また、交通局が動画も出してますので、参考にすると良いでしょう。
Restrictedに合格すると、次のFullのテストを受けられるようになるまで18カ月(25歳未満の場合。25歳以上の場合は6カ月)、今度は一人で一般道を運転し、更に運転に慣れていくわけです。この段階になると、最初は緊張するでしょうが、一人での運転に自信をつけていく感じになります。
Fullのテストを受けられるようになるまで18カ月(25歳以上は6カ月)と規定されていますが、Advanced Driving Courseという講習を受けることで、その期間を12カ月(25歳以上は3カ月)に短縮することが出来ます。
大抵の子たちはこれを受講し、高校卒業時にはFullを取得している、というのが一般的です。まぁ、誕生日にもよるので全員が全員こうではないですけどね。
Full
Restrictedを取得して上記の一定期間が経過すると、いよいよFullのテストを受けることが出来るようになります。
Restrictedのテストと同様、これもオンラインで予約しテストを受けます。
テスト内容は、Restrictedのテスト時の安全確認はもちろん、走りながら口頭で注意すべき点をあげながら運転しなければならないというものです。
例えば、路駐の車が動こうしている、とか、歩行者が渡ろうとしている、制限速度が変わった、など、運転中に普通に気を付けなければいけないことを、全部、言葉にしながら運転するわけです。
長年運転していて半ば無意識に周りを注視している僕らからしたら、逆にそれらを全部言わなくてはいけないというのはだいぶ難しい気がしますが、それがテストなので仕方ありません。
テスト時間は約30分程度。Ristrictedに比べると短い様です。
こちらも運転に慣れた街でテストを受けることをお勧めします。ただでさえ緊張しているのに、知らない道だと判断を誤るリスクが高まりますからね。
やはりこのテストに挑む際も、事前にオンラインで勉強しておきましょう。交通局が懇切丁寧に解説してくれています。動画もあります。
このテストに合格すると、晴れてFullライセンス保持者となり、いつでもどこでも運転して行けるようになります。
運転免許証の有効期限は10年。更新はAAで出来、日本の様な、免許更新時の違反者講習などはありません。
ですが、違反ポイント制というのはあるので、日頃から安全運転を心がけましょう。
運転に関する違反等のことはまた別の機会に詳しく書きたいと思います。
ここまでがニュージーランドで初めて運転免許を取得する人たちのためのシステムです。
では、次に、大人になって移民してきた人たちの様に、他国で運転免許を取得している人はどうするのか、をご説明いたしましょう。
ニュージーランド以外の国で発行された運転免許の書き換え
これについては2種類のケースがあります。
免除国発行の免許証の場合
まず一つ目は、ニュージーランドと同様の運転スキルが必要と認定されている国の運転免許証からの書き換え。
そのような国はニュージーランドが免除国(Excempt Country)として認定していて、免除国が発効している有効期限内の運転免許は、学科や実技のテストを受けることなくニュージーランドの運転免許に書き換えることが出来る、のです。
日本はその免除国となっていますので、日本で運転免許を取得している人は、AAの窓口で申請するだけでニュージーランドの運転免許を取得することが出来ます。
その他の免除国はコチラ(交通局のサイト)をご覧ください。
申請に必要な書類
窓口で申請するだけで簡単に書き換え、といっても、準備しておかなくてはならない書類はあります。
以下のものを漏れなく準備する必要があります。
・申請書類
・パスポート
・有効期限内の自国の運転免許証
・免許証が英語でない場合、認定翻訳者の免許証の翻訳(認定翻訳者のリストはコチラ)
この中で一番手間がかかるのが翻訳ですよね。
認定翻訳者ってなに?みたいな。
でも、実は簡単で、上記のリストから翻訳者に連絡するだけなんです。オンラインで全て対応してくれるところもありますので、そこに頼めば実際に赴くことなく翻訳を入手することが出来ます。
オンラインって便利。
この書き換えの場合で注意が必要なのは、運転免許証を取得して2年以内の人は、免除国かどうかにかかわらず、皆すべからく実技テストを受ける必要がある、ということです。
なので、例えば、どこの運転免許証も持っていない人が、日本の合宿免許スクールで免許を取得して、それをすぐにニュージーランドの免許に書き換えようとする場合は実技テストを受ける必要がある、ということです。
まぁ、どこの免許も持っていない場合でニュージーランドで運転免許を取ろうと思うと先の3段階システムで取らなくてはいけないので、実技テストがあるとはいえ、合宿免許で取ってきて書き換えた方が早いかも知れませんね。
免除国以外の国発行の運転免許証の場合
次に、この免除国以外で発行されている運転免許の書き換えについてですが、こちらは先に紹介した3段階を経る必要はないものの、学科と実技の両方のテストに合格する必要があります。
必要書類
まずは免除国の場合と同様に必要書類を揃えます。
・申請書類
・パスポート
・有効期限内の免許証
・その免許証が英語でない場合、認定翻訳者による免許証の翻訳
・提出書類(申請書以外)のカラーコピー
書き換えの手順
AAの窓口での申請が完了したら、通常の運転免許取得の手順と同様に、まずはTheoryテストを受けます。
これに合格すると次に実技テストです。こちらはFullのテストと同様だと思ってください。Theoryテストと同日に受けることは出来ないので、Theoryテストに合格したら、実技テストの予約をしましょう。
長年運転していると、ちょこちょこ自流になってしまっている癖とかがあるでしょうから、実技テストまでに基本をおさらいしておいた方が良いでしょう。
僕がニュージーランドに来た1999年は、日本はまだ免除国ではなかったので、学科と実技の両方受けるしかありませんでした。今は申請だけで書き換えられるので簡単でいいですね!
さて、気になるそれぞれのテストのお値段です。(笑)
普通免許取得にかかる料金
各テストの料金は以下の通りです。これは運転免許証の発行料も含まれているので、一度でパスすればこれ以上のお金がかかることはありません。
通常の免許手数料
免許種別 | Last Name |
---|---|
Learner | $96.10 (2回目は無料、3回目以降は$54.60) |
Restricted | $167.50(2回目は無料、3回目以降は$102.80) |
Full | $98.90 (2回目は無料、3回目以降は$71.90) |
他国の免許からの書き換え料
書き換え申請 | $52.10 |
学科テスト | $45.70 |
実技テスト | $59.90 |
免除国であれば書き換え手数料のみです。なお、書き換えの際のテストは2回目無料というシステムはないので、再テストの度に料金がかかります。しっかり準備してテストに臨みましょう。
以上、ニュージーランドの普通運転免許について、でした。
上記の、および、上記以外の詳しい情報は交通局のサイトにありますので、各自必要に応じでご確認ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。