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老後の貯えのために。Kiwi Saverを調べてみました。

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こんにちは。

シュウです。

 

ニュージーンランドに来てもう23年。

渡航時は若かった僕も、もう50歳を超えてしまいました。。。

まだまだ現役ではありますが、老後のことも考えねばならない。

 

ニュージーンランドににお住いの日本人の方々もそういう状況の人は多いのではないでしょうか。

 

そこで今日は、ニュージーンランドにある老後資金を準備する制度の一つであるKiwi Saverについて説明したいと思います。

Kiwi Saver

 

ニュージーンランドでは65歳になると年金が受け取れるわけですが、
さらなる貯えのために2007年7月に発足したのが、Kiwi Saverという制度(?)です。

 

これはKiwi Saver法に基づいて運用されているものではあるものの、政府はその資金運用には関与せず、民間の銀行などの金融機関が参加する市民のお金を預かり運用するシステムです。

資産運用、つまりは投資なので定期預金やボンドなどの様に、決まりきった利子を受けとるというものではありませんし、運用状況によって、預けた資産は増えたり減ったりする可能性があります。

 

 

なんで今回、Kiwi Saverについて書こうかと思ったかというと、

僕も、Kiwi Saverアカウントを持ってはいるのですが、一年に一度入金するだけであとは放置してたんです。

 

で、先日ふと残高を確認すると、入れたはずの金額よりも多い残高に気が付きまして。。

 

30%ぐらい増えてるんですよ。

 

まぁ、元が少ないので30%といってもたかが知れてるんですけど、でも勝手に増えてるとしたら嬉しい増額割合じゃないですか。

 

で、いったいKiwi Saverとはなんぞや?と思ったわけです。(遅い)

はて?

Kiwi Saverとは

 

○ニュージーンランド市民権または永住権保持者で、ニュージーンランドに住んでいる18歳以上の人であれば誰でも参加できる。

基本的な参加資格は上記の様に決まっていますが、定住者であれば口座が持てたりするようなので興味のある方は銀行などで問い合わせてみると良いと思います。また、18歳未満でもプロバイダーによっては保護者の同意があれば参加できるようなので、こちらも用向きの方は問い合わせてみると良いでしょう。

 

○雇用者は基本的には自動的にKiwi Saverに参加することになるが参加を取りやめることも可能。

Kiwi Saverへの参加は義務ではないので、老後の資金や不動産購入資金に不安がない人、または別の運用方法で自ら準備するという人は参加する必要はありません。また、後から参加することも可能です。

 

○参加する人は、雇用主から支払われる税引き前給与の3%、4%、6%、8%または10%の金額をKiwi Saverに納める。

これは給与が支払われる前に控除されるので雇用者が何かをする費用はありません。どの割合を納めるか決めない場合は3%が自動的に控除されます。

 

○自営業や仕事をしていない人は自分で決めた金額を入金できる。

自営業や定期的な収入がない人は、自らKiwi Saverプロバイダーと契約しKiwi Saverに参加、口座を開設する必要があります。またこの場合、納める金額は自由に決めることができます。

 

○納められた資金は、Kiwi Saverプロバイダーによって運用される。

つまりは、よくある投資会社のオートインベストメント(お金だけ預けて運用はお任せ)みたいなものですね。預け先が投資に成功すれば当人の残高が増え、失敗すれば残高が減ることになります。

運用方式はプロバイダーによって、その選択肢の数もリスクも異なるので、ここでは一概には説明できません。後でプロバイダーのリンクを載せますので、リンク先で見てみてください。

 

○Kiwi Saverの資産は、余程の理由(経済的に困窮している、など)がない限り設定期限前(65歳になるか最初の家を買う時か、など)に解約することができない。

ここが大きな特徴でしょうか。普通の貯金や定期預金、投資会社を通しての資金運用とは違うところですね。

 

ざっくりと説明するとこんな感じです。実際はもっと詳しく規定されているので、詳細を確認したい方は、IRDのKiwi Saverのページをご覧ください。

 

Kiwi Saverに参加したほうが良いのか、しないほうが良いのか。

これについてはどちらとも言えませんねぇ。
諸々、個々人の環境によって資産運用状況は変わってきますから。

ある程度の資産を既にお持ちの方は参加の必要はないというか、自分でその資産を運用した方がリターンがいい可能性もありますし、しかしリターンが高い可能性があるということは逆に減らすリスク高いとも言えますし。。。

プロバイダーによっては低リスクなオプションを用意しているところもありますから、増えては欲しいけど減る危険性があるのは避けたいという方は、低リスクオプションを選ぶというのもいいと思います。

お得な要素としては、これがあったので僕は参加することにしたんですが、Kiwi Saverの一年期(7月1日から6月31日)の間に、少なくとも1,042.86ドルを入金すると、最大1ドルあたり50セント、つまりは最大521.43ドルを受け取ることができるんです。これはMTC(Member Tax Credit)と言って、政府から支給されるものです。つまりは、一年に一度1,042.86ドルを入れると、その50%である521.43ドルが貰えるわけです。

50%も増えるなんていいじゃ~ん、と思って、自営業の僕は毎年最低限の金額だけを入金していたんですが、実は運用してそれ以上に増えることになっているとはね。今回調べるまでよく知りませんでした。

テヘペロ

それならもうちょっと多めに入れておいても良かったかも~(笑)

 

Kiwi Saverの欠点

ここまで良いことばかりを書いてきましたが、Kiwi Saverには欠点もあります。

一つ目は、

一度プロバイダーと契約するとずっとそのプロバイダーに資産運用を任せることになる、ということです。

もちろん、運用プランはいつでも変更できるので全く危険というわけではないのですが、資産運用のリスク分差という面ではマイナス点と言えるでしょう。

二つ目は、

Kiwi Saverの最大の特徴である、途中で資金を引き出すことができない、という点です。

これは、途中で資産に手を付けてしまわないという意味では良いポイントなのですが、早急に資金が必要となった場合には欠点となってしまいます。

もちろん、相応の理由を添えて解約(全部でも一部でも)の申請は出来ますが、手続き等もあり、すぐに引き出すことは出来ません。なので、資産全額をKiwi Saverに入れるという運用方法は、フレキシブルな財政状態を好む方や自営業などのある程度のキャッシュフローが必要という方には不向きと言えるでしょう。

 

三つ目、

これもKiwi Saverの特徴ですが、65歳まで資金を引き出すことができない(1件目の家を買うための場合は除く)ことです。

もし、早期リタイヤをして資産を使って生活しようという場合には、別の資産を保有しておく必要があります。早期リタイヤをお考えの方も、Kiwi Saverをメインとする運用は避けた方が良いでしょう。

Kiwi Saverの年次報告書によると

FMA (Financial Markets Authority:NZの金融規制を担当する政府機関)の発表によると、2021年3月31日の時点で、816億ドルが運用されており、年間のリターンとして132億ドルがあったと報告しています。リターン率としては約16%。これはトータルリターンからの利率なので、全ての運用オプションがこのリターン率というわけではないですが、全体の運用益としては良い利率ですよね。自ら投資運用するとなると、そのための勉強や情報収集が必要ですから、お任せでいくらか増えるならKiwi Saverはいい老後のオプションだと思います。

詳しい年次報告書はこちらからご覧いただけます。

どうしたらいいか迷う方は、各Kiwi Saverプロバイダーのサイトに行けば、アンケート方式でどういうプランを選べばいいかの概要を見ることができるので、気軽に試してみると良いでしょう。

 

Kiwi Saverプロバイダーリスト

AMP
AE KiwiSaver Limited
ANZ Investments
Aon New Zealand
ASB Group Investments Ltd
Booster Investment Management
BNZ
BT Funds (Westpac)
Civic Financial Services
Consilium NZ Limited
Craigs Investment Partners Superannuation Management Limited
Fisher Funds Management Ltd
Generate Investment Management Limited
Implemented Investment Solutions Limited
Juno KiwiSaver Scheme
Kiwi Wealth Limited
Koura Wealth Limited
Lifestages
Medical Funds Management Limited
Mercer (NZ) Limited
Milford Funds Limited
New Zealand Anglican Church Pension Board
New Zealand Funds Management Limited
Nikko Asset Management New Zealand Limited
Pathfinder Asset Management
QuayStreetAsset Management New Zealand Limited
SBS Bank
Simplicity
Smartshares Limited
Summer

 

沢山ありますね~

こんなにあると、どこを選べばいいのか迷うし、比べるにしてもどれとどれを比べれば良いのか。。。って感じになりますね。。

 

あ、

 

どれが良いのか?や、お薦めは?とかの質問は受け付けません。

 

というのも、僕はいつも行ってる銀行で口座開設を勧められたので、特に調べることもなくそのまま契約しましたから。(笑)

ずっこけ

 

最後に、僕の現時点での運用状態ですが、

メリット・デメリットを鑑みて、ほんの一部の資金をリスクの少ないオプションで運用しています。

子供にもまだまだお金がかかる年齢なので、がっつり資金を入れて必要なキャッシュフローが足りなくなる危険性は避けたいんですよね。

まぁ、これも今の時点での話なので、これから状況に応じて変化していくとは思いますが。

 

皆さんも、ご自身の状況にあった資産運用をして、安心できる老後の準備をしましょう!

 

以上でKiwi Saverの説明は終わりです。
少しでも参考になりましたら幸いです。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました!