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ニュージーランドで最も危険な業種は農業?

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こんにちは

シュウです。

 

 

先日、ファームでの従業員の死亡事故に対し、使用していたバギーの不適切な整備が横転の原因との判決が下り、雇用主に罰金刑が言い渡されたという記事を読みました。

新聞を読む

 

日頃は、牧場は景色が良いとか、のんびりした環境だとか書いているわけですが、
実は、農業はニュージーランドの中では、仕事中に命を落とす人が一番多い業種なのであります。

 

2022年から2024年の3年間で43名の農業従事者が仕事中の事故で亡くなっています。2022年は11名、2023年は16名、2024年も16名。
(WorkSafe NZ 死亡事故統計より)

また1週間以上の休みが必要な怪我だけでも、この20倍近い事故が発生しており、小さな怪我まで含めると、年間に2~3万件の事例が報告されています。

 

一番多いのが、バギーやトラクターの横転による事故。

これは本当に多く、僕の知人で亡くなったケースはありませんが、大怪我は数名。知人の知人まで広げると僕が知るだけでも過去に数名亡くなっています。

 

一人のご近所さんは、数年前にファームの中でバギーを運転中に横転し、大腿骨を折る大けが。事故したのがファームの真ん中で、誰かに助けを頼むことも、家に帰ることも出来ずその場から動けない状況でしたが、幸いGPSロケータービーコンを持っていたので、それで緊急信号を発信。10分程度でヘリコプターの救助が来てくれたそうです。

 

別のご近所さんもバギー運転中、伸びた牧草で見えなかった窪みにはまって横転。頭の骨を折る大けがをし、数日間生死の境を迷いましたが幸い生還出来ました。しかし、怪我の影響で事故前の記憶を全て無くし、また嗅覚・味覚も失ってしまいました。

彼女は意識を取り戻した時、夫を名乗る男性が目の前に現れて自分が結婚をしていたことに驚いたそうです。が、そんな全ての記憶を失ってしまった妻のために、夫はもう一度結婚式をした、というハートウォーミングな余談もあります。

ファームで結婚式

 

閑話休題。

 

こんな危険がいっぱいな業種:農業ですが、ニュージーランド政府もこの状況を放置しているわけではありません。

WorkSafe New Zeakand(ニュージーランド労働安全局)はウェブサイトや各イベントなどでファームでの就労時の安全について啓蒙したり、バギーやトラクターの安全な運転方法や整備方法についての講習などを行ったりもしています。

 

転倒すると、より重大な事故に繋がりやすいトラクターにはロールオーバー・バー(正式な名称は、Rollover Protection Structure、略称はROPS)の取り付けが必須となっています。

トラクターのロールバー

 

バギーに取り付けるロールオーバー・バーも販売されています。こちらは義務ではありませんが、取り付けが推奨されています。

バギー用ロールバー

 

ウチは急斜面ばかりなので、実は危ないんですよ。
命を落とさないためにも、こういうのを付けることを真剣に考えた方が良さそうですね。

 

農業に限らずとも、怪我などのリスクはどこにでも存在します。
皆さんもどうぞお気をつけて。

 

最後までお読みいただきありがとうございました。