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ルイ・ヴィトン・カップ準決勝 4日目を終えて

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こんにちは

シュウです。

 

中日を挟んだ昨夜、ルイ・ヴィトン・カップ準決勝の4日目が開催されました。

第37回 アメリカズカップ

決勝進出に王手をかけているイネオス・ブリタニアとルナ・ロッソ・プラダ・ピレリがそれぞれ1勝を挙げて決勝進出を決めるのか、それともアリンギ・レッドブル・レーシング、NYYC・アメリカン・マジックが食い下がるのか、緊張のレースでした。

 

1レース目はイネオス・ブリタニア対アリンギ・レッドブル・レーシング。

スタートはアリンギが先に出ますが、最初のタッキングで手間取りイネオスの先行を許します。

イネオスはそのままリードを広げますが、トップマークに差し掛かる頃にはアリンギも追いついてきて、マーク旋回の時間差はわずかに5秒。

ヨットレースで5秒はもう差が無いも同然です。

マーク後すぐのジャイビングで、今度はイネオスが失速。アリンギが前に出ます。いまいち風に乗り切れないイネオスをしり目に、アリンギはグイグイ差を広げていきます。レグ4の途中でやっとイネオスも勢いを取り戻しますが、その差は700m以上。

なんとか差を縮めてきたものの、最終レグに入るマークの旋回でイネオスが失敗、着水してしまいました。アリンギはそのままゴール。貴重な追加点を取り準決勝に留まりました。

ルイ・ヴィトン・カップ準決勝 4日目 レース1

 

続いてルナ・ロッソ・プラダ・ピレリ対NYYC・アメリカン・マジックのレース。

こちらもルナ・ロッソ・プラダ・ピレリが王手をかけています。アメリカン・マジックは準決勝を戦い続けるためには必ず勝たなくてはならない1戦。

スタートではアメリカン・マジックが前に出ますが、より角度の立っていたルナ・ロッソの方が速く、あっという間に先行し差を広げます。

第1マークはルナ・ロッソが先に旋回、アメリカン・マジックは遅れること47秒後に旋回しました。

しかしここで文字通り風向きが大きく変わります。

ルナ・ロッソは速度を保つために横どころか第1マークに戻る方向に航行。ルナ・ロッソとは反対側にコースを取っていたアメリカン・マジックは、そのままいい風を受けて逆転します。

ほどなくしてルナ・ロッソも速度を回復し追い上げ開始。しかし難しい風の中、ほぼ横ばいにしか進めず、差を縮められません。

しかし難しい風なのはアメリカン・マジックにとっても同じこと。なんとジャイビングに失敗し、着水してしまいます。

ルナ・ロッソはこのチャンスを逃さずしっかり逆転。しかし、直ぐにフォイリングしてきたアメリカン・マジックに第2マークの旋回で追いつかれ、先行を許してしまいます。

レグ3は抜きつ抜かれつの大接戦。最終的にこのレグを制したのはアメリカン・マジックでした。第3マークに差し掛かったところで右の優先位置を取ったアメリカン・マジック。対するルナ・ロッソは相手を避けるために、マークへのコースから大幅に逸れなくてはならなくなってしまいます。風向きに足して不利なコースを取らされたルナ・ロッソはマークへ向かうタッキングで着水。完全に失速してしまいました。

しかしアメリカン・マジックもほどなくして着水。

ここでレースコミッティよりレグの短縮が宣言され、このレグ、つまりはレグ4が最終レグとなりました。

お互いに着水した状態での亀の子レース。先にフォイリング出来ればこのレースを勝つことが出来るでしょうが、この弱い風の中では進路を犠牲にして速度を上げるか、それとも速度はともかくゴールを目指すか、という難しい選択を迫られます。

後を追うルナ・ロッソは速度を上げることに重きを置き、横に横に進路を取りながらなんとか速度を上げようとします。対するアメリカン・マジックは微速ながらも前に進む作戦を取りました。微速とは言え、横に進むボートとの距離はみるみる開いていきます。

風に乗る作戦のルナ・ロッソがフォイリング出来ずにもがいているのに、なんとアメリカン・マジックがフォイリングします。

一気にゴールへ突っ走るアメリカン・マジック。そのまま勝利をものにしました。

ルイ・ヴィトン・カップ準決勝 4日目 レース2

これでこちらのカードも4対2と、まだまだ準決勝の行方は分からないままです。

 

続くレース3。再び、イネオス・ブリタニア対アリンギ・レッドブル・レーシングです。

スタートはアリンギ先行、しかし、レグ1は抜きつ抜かれつの接戦でした。続くレグ2ではイネオスがぐっと前に出ます。アリンギとの差は3~400m。レグ3に入っても差は縮まりません。

3~400mはワンミスで順位が入れ替わる距離ではありますが、相手にミスが無いと追いつくのは難しい距離でもあります。

後がないアリンギはどうしても勝たなくてはなりません。

差が縮まらないままレグ4を終えレグ5へ。追いすがるアリンギですが、最終レグに入る前のマークで着水という痛恨のミスを犯してしまいます。

こうなってしまっては、先を快走するイネオスに対してもうなすすべはありません。イネオスが無難にレースを制し5勝目。

ルイ・ヴィトン・カップの決勝へと駒を進めました。

 

そして本日の最終レース、ルナ・ロッソ・プラダ・ピレリ対NYYC・アメリカン・マジック。

4対2とルナ・ロッソの王手は変わらず。アメリカン・マジックは再び必勝のレースとなります。

スタート前から激しい位置争いで始まったレース。アメリカン・マジックが先行しますが、ルナ・ロッソも負けてはいません。順位を何度も入れ替える大接戦。

両艇の差が2~30mという素晴らしい僅差でのレース展開がレグ4の途中まで続きました。が、ここでドラマが。。。

 

なんとルナ・ロッソのボートが、バキッ!という音と共にバランスを崩して着水。止まってしまいました。

それを横目に見ながらアメリカン・マジックはゴールを目指します。

ルナ・ロッソ艇はメインセイルの向きをコントロールしている部分が壊れたようで、完全に航行不能です。

ルナ・ロッソ ボート故障

本来は赤丸の部分にセイルの端とワイヤーが入っていて、それが左右に動くことでセイルの向きをコントロールしているのですが、中の部品が破損してしまったようで、ワイヤーなどが飛び出してしまっています。

 

ルナ・ロッソのこのトラブルのお陰もあって、追加点を挙げることが出来たアメリカン・マジック。3点目を取り、4対3とその差は1ポイントとなりました。

ルイ・ヴィトン・カップ準決勝 4日目

この日の各2レースを終えたポイント表。

イネオスが5勝目を挙げ決勝進出の先名乗り、ルナ・ロッソとアメリカン・マジックはまだどちらが決勝に進むかわかりません。

今夜のレースが楽しみですね!

5日目のライブはコチラからご覧いただけます。

 

最後までお読みいただき、ありがとうございました。