こんにちは。
シュウです。
第37回アメリカズ・カップのセレクションシリーズであるルイ・ヴィトン・カップ準決勝、観てますか~?
準決勝の組み合わせは
イネオス・ブリタニア対アリンギ・レッドブル・レーシング
ルナ・ロッソ・プラダ・ピレリ対NYYC・アメリカン・マジック
イネオス・ブリタニアがラウンド・ロビンを1位通過、ルナ・ロッソ・プラダ・ピレリは2位通過と、アリンギ・レッドブル・レーシングとNYYC・アメリカン・マジックは最初から劣勢での準決勝開始でした。
でも僕は、もみ合いになりながらのレース展開、ポイントレース展開を期待していました。
が、蓋を開けてみると、アリンギやアメリカン・マジックがレースをリードする場面は少しは有ったものの、ほぼ一方的にやられる展開。
2日目、4レースを終えた時点でのスコアは
イネオス・ブリタニア、ルナ・ロッソ・プラダ・ピレリともに4連勝です。
このセミ・ファイナルは5点先取方式なので、両チームともあと1勝で決勝進出が決まってしまうことに。
そのような状態で迎えた3日目。
アリンギ・レッドブル・レーシングもNYYC・アメリカン・マジックも必ず勝たなければいけない大切なレースです。
1レース目はイネオス・ブリタニア対アリンギ・レッドブル・レーシング。
風の状態が良くなく、スタートが8分延期されましたが、2度目のウィンドチェックでレース実施が宣言され、レーススタート。
両チームともいい感じでスタートラインを切ったように見えましたが、アリンギ・レッドブル・レーシングが痛恨のフライング。ペナルティを受けてしまいました。
しょっぱなから数十メートルの差をつけられていたアリンギ・レッドブル・レーシング。レースが進むにつれその差は百数十メートルへと広がっていきます。
順調に操船を展開するイネオス・ブリタニアがこのまま差を広げて決勝進出を決めるかのように思われましたが、ドラマはイネオス・ブリタニアがマーク2を周った後に起きました。
イネオス・ブリタニアがマーク旋回後のタッキングに失敗、着水してしまいます。この日は風が弱く、一度速度を落としてしまうと回復が難しい状況。
同じ様なラインを航行してきたアリンギ・レッドブル・レーシングはフォイリングをキープして、速度が出ずにもがいているイネオス・ブリタニアを抜き去りました。
その後も着水することなく順調にレグを消化していくアリンギ・レッドブル・レーシング。しかし、勝利の女神はそう簡単には微笑んでくれません。
レグ4の途中でアリンギ・レッドブル・レーシングも着水してしまいました。この時点でイネオス・ブリタニアとの差は約2000m。通常であればそう簡単にひっくり返される距離ではありませんが、この日は微風。
もし、イネオス・ブリタニアが再度のフォイリングに成功し、アリンギ・レッドブル・レーシングが着水したままだった場合、この差は簡単にひっくり返されてしまうでしょう。
しかし、イネオス・ブリタニアは一向に速度がのらず、6~7ノットで航行中。対するアリンギ・レッドブル・レーシングは10ノットと、亀の子レース状態ですが、それでもイネオス・ブリタニアを上回るスピードを維持しています。
そんな状態なので、レースコミッティよりレース距離の短縮が宣言されました。通常6レグのところを、5レグに短縮です。
これはアリンギ・レッドブル・レーシングにとって良いニュース。
レース開始から45分というレース時間の制限は迫ってきているものの、アリンギ・レッドブル・レーシングは残り時間20分のところで最終マークを周り、ファイナルレグに突入しました。
20分以内にゴール出来ればアリンギ・レッドブル・レーシングの勝ち。もし出来なければレースキャンセルとなり、最初から仕切り直しです。
アリンギ・レッドブル・レーシングとしてはそれは避けたいところ。なんとしてもこのレースをものにして、準決勝を続けなければなりません。
この後も両チームともフォイリング出来ず、亀の子レースが続きます。
レースの制限時間は刻々と迫ってくる。。。
突如、それまで5~6ノットだったアリンギ・レッドブル・レーシングのボートスピードが9ノットぐらいまであがりました。ゴールまで200mの時点で残り5分。観てる方はもちろんですが、クルー達もボートよガンバレガンバレと思っていたに違いありません。
アリンギ・レッドブル・レーシングのボートは勢いを増し、そのままゴール。残り時間3分38秒でした。
アリンギ・レッドブル・レーシングが1勝を挙げたことで、準決勝のこの組み合わせはまだ続くことになりました。彼らが決勝に進むためにはあと4勝する必要がありますが、次のレースが楽しみになりましたね。
そして、本日2レース目の、ルナ・ロッソ・プラダ・ピレリ対NYYC・アメリカン・マジック。
風が弱い状況は変わらずですがレースは続行。
プレ・スタートから激しい攻防を繰り広げ、両チームとも素晴らしいスタートを切りました。
僅かに先行したのはルナ・ロッソ・プラダ・ピレリ。そのままレースを支配し、NYYC・アメリカン・マジックを抑え差を広げていきます。
レグ2ではその差は200mにもなりました。しかし、NYYC・アメリカン・マジックもそう簡単に負けるわけにはいきません。
しっかりと食らいつき、レグ3に入ったところでグイグイと差を詰め、交差するときの右優先を取りルナ・ロッソ・プラダ・ピレリの前に出ます。その時に近づきすぎたということでルナ・ロッソ・プラダ・ピレリはペナルティも受けてしまい、NYYC・アメリカン・マジックのアドバンテージはさらに広がりました。
しかしそこはルナ・ロッソ・プラダ・ピレリ。あっという間に再逆転し、NYYC・アメリカン・マジックの前に出ます。すぐに差は100m以上開きましたが、しかしまた交差の時にルナ・ロッソ・プラダ・ピレリがペナルティ。これでNYYC・アメリカン・マジックが再度前に出ます。
レグ4は順位を入れ替えながらの僅差のレース展開。
ドラマはレグ4を終え、レグ5に入る時のマークの転回でおきました。
僅かに先行するNYYC・アメリカン・マジックでしたが、ルナ・ロッソ・プラダ・ピレリが少しだけマークに近く、先にマーク転回に入ったルナ・ロッソ・プラダ・ピレリ。遅れてマークに来たNYYC・アメリカン・マジックを邪魔するために急転回したのが悪手でした。
これで失速してしまい着水。NYYC・アメリカン・マジックはその横をフォンリングで通り抜けていきました。
この後、ルナ・ロッソ・プラダ・ピレリは一度もフォイリング出来ず、対するNYYC・アメリカン・マジックは一度も着水することなくゴールし、初勝利を上げました。
この日は風の状態が回復しなかったため、この2レースで終了。準決勝の行方は少なくとも19日まで持ち越しとなりました。
準決勝のポイントレースは、5レースを終えたところで以下の状態に。
引き続きイネオス・ブリタニアとルナ・ロッソ・プラダ・ピレリの優勢は変わりませんが、もう少し準決勝観戦を楽しめますね!
明日はルイ・ヴィトン・カップ準決勝はお休み。
次のレースは現地時間の18日2時からです。お楽しみに!
最後までお読みいただき、ありがとうございました。