こんにちは。
シュウです。
先だって行われていた、アメリカズ・カップへの出場権を争うルイ・ヴィトン・カップの決勝が終わり、カップ保持チームのニュージーランドと対戦するチームが決まりました。
ルイ・ヴィトン・カップ決勝戦
ルイ・ヴィトン・カップの決勝は、ルナ・ロッソ・プラダ・ピレリ(イタリア)対イネオス・ブリタニア(イギリス)の対戦でした。
決勝は7戦先取方式で1日2レースで行われました。
1日目
レース1
スタートでイタリアに先行を許したイギリス、大きなミスはなく追撃しますが、先行するイタリアもミスのない操船。その差は徐々に広がり、最終的には775mもの差でイタリアがゴール。イタリアにとっては幸先のいい1勝となりました。
レース2
今度はイギリスがいいスタートを切ります。僅差ながらもリードを保ちレグ1からレグ2へ。追いすがるイタリアですが、レース展開はレース1の真逆を見ているように進行し、徐々にリードを広げるイギリス。最後には350m差でイギリスが勝利。
第一日目は両チームともが1勝し、1対1という決勝戦にふさわしい拮抗した星展開となりました。
2日目
レース3
風が弱い中、2時間遅れで始まったレースでしたが、前半こそ両チームともいいスピードでレース出来ていたものの、イタリアが先に失速して着水、ほどなくしてイギリスも着水。両チームともフォイリングスピードに戻ることが出来ず、敢え無く時間切れとなり、レース無効となりました。
この日は、これにて終了。
3日目
レース3(再レース)
昨日とは打って変わって強い風が吹く中、レース3の再レースが進行しますが、スタート直前になりイタリアがメインマストのトラブルでストップ、部品交換を始めました。それでもレースは進行し、スタート3分前のレース続行がレースコミッティより宣言されます。しかしイタリアはまだ復帰できず。プレ・スタートの2分になってもイタリアは修復が終えられず、時間内にプレ・スタートエリアにエントリーできなかったため失格を言い渡されてしまいました。これでイギリスの勝利。
レース4
先のマストトラブルを解消したイタリアがスタートの攻防を制し、イタリア先行でレースが始まります。しかし、今回は先のレースとは違い、先行するイタリアはリードを広げられません。見ごたえのある激しい僅差のレース展開。先にゴールラインを切ったのはイタリアでしたが、イギリスも僅か4秒差でゴールするというとてもいいレースとなりました。
これで勝ち星は2対2。全く先のわからない展開です。
4日目
レース5
スタートはイギリスが先行、いきなり80m強の差をつけてレースが始まりました。追いすがるイタリア。イギリスは先行はするものの、決定的な差を広げられません。一つのミスで簡単にレースがひっくり返ってしまう程度の僅差が続くレース展開でしたが、イギリスがミスすることなくこのレースを制しました。
レース6
スタートはほぼ同時という接戦で始まったレース6。わずかに先行するのはイタリアですが、イギリスもそのすぐ後ろに付けています。レグ2まではどちらが有利かわからないほどの僅差でしたが、レグ3あたりから徐々にイタリアがリードを広げ始めました。イギリスも大きなミスはないもののイタリアに追いつくことは出来ず、このレースはイタリアの勝利となりました。
6レースを終えて3対3という全くのイーブン状態。とても面白い展開です。
5日目
レース7
ほぼ同時にスタートラインを切った両艇。激しく順位を入れ替えながらトップマークへ向かいます。わずかにイギリスが先にマークを旋回。イタリアもすぐ後に続きますが、ここで想定外のアクシデントが。バランスを崩したイタリアが高速のままノーズダイブしてしまい、そのせいでボートが故障してしまいました。暫くは修復を試みていたものの、残念ながらリタイア。イギリスの勝利となりました。
レース8
プレ・スタートでギリギリを攻め過ぎたイギリスがバウンダリー・ペナルティを受けてしまいます。これはイタリアに有利なスタート。いきなり150mほどの差をつけます。しかしイギリスも負けじと、着かず離れずで追いかけます。レグを重ねても差は縮まらず広がらず。レグ7から僅かにイタリアがリードを広げていきます。そのままゴールし、イタリアの勝利。
8戦を終えて4対4。見ごたえのある決勝戦ですね。
6日目
レース9
接触するのではというほどの激しいプレ・スタートの攻防を制したのはイギリス。イタリアも僅差で追いますが、レグ2に入り、徐々にイギリスがリードを広げていきます。決定的と言えるほどではないものの、レグを重ねるごとにイギリスが優位に。イタリアも必死に追いますが、差は縮まらないままイギリスが先にゴールしました。
レース10
プレ・スタートを制し、いいスタートを切ったのはイギリス。イタリアもすぐ後ろに付けています。しかし、イギリスに風を抑えられて差を縮められません。うまいボートさばきでレースをコントロールするイギリスにイタリアは苦しめられます。追いつけそうな距離になると風上を抑えられ距離を空けられる。イタリアは最後までイギリスに追いつけず、敗れてしまいました。
10レースを終えて、均衡を破ったのはイギリス。勝ち星を6に伸ばし、ルイ・ヴィトン・カップに王手をかけました。
7日目
レース11
今回もプレ・スタートを制したのはイギリス。イタリアは後塵を拝しながらも、追いすがります。しかし、ここ数回のレースではイギリスがレースコントロールの能力を発揮しており、イタリアは前に出ることが出来ません。レースは僅差のまま最終レグへ。ここでイギリスが追いすがるイタリアを突き放しゴール。ルイ・ヴィトン・カップを決する7勝目を上げました。
いよいよ本番、アメリカズ・カップ!!
ルイ・ヴィトン・カップを制したイギリス。イネオス・ブリタニアはアメリカズ・カップを賭けてエミレーツ・チーム・ニュージーランドと対戦します。
イギリスがアメリカズ・カップの挑戦チームになるのは1964年の第19回大会以来、60年ぶり。死に物狂いでカップを取りに来ることでしょう。
ルイ・ヴィトン・カップでは素晴らしい操船をみせたイネオス・ブリタニアですから、アメリカズ・カップでも防衛チーム、ニュージーランドを脅かすレース展開を見せてくれることでしょう。
もちろん、ニュージーランドが再防衛すること請け合いですが、手に汗握るレースを期待します。9戦先取した方が栄光のアメリカズ・カップを手に出来るのです。楽しみですね!!
アメリカズ・カップは現地時間の10月12日14時(NZ時間:10月13日1時、日本時間:10月12日21時)開始です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。