こんにちは
シュウです。
今日はニュージーランドの車検制度についてお話ししたいと思います。
切っ掛けは、
ええ、僕の車が車検に落ちたからです。
我が家の車は、2001年式トヨタ・エスティマです。
日本でもバカ売れしたミニバンですね。
この車が丁度10年落ちになるぐらいの時に購入し、現在に至ります。
購入してすぐにエンジンの一部が壊れてしまい、修理に5000ドルほどかかりましたが(!)、それ以降はトラブルらしいトラブルは無し。
もちろん古い車ですからちょこちょこと部品交換はありますが、どれもDIYで出来る範囲なので部品代だけで済んでます。
我が家のエスティマさん、走行距離も44万キロを超えたので、そろそろ乗り換え?と考えることもありますが、まだまだ子供の用事などで8人乗りが便利なことが多く、買い替えるとしても次も8人乗りが要るなぁ、となり、それならこれを乗り続ければ良いんじゃない?ということになって、引き続き乗り続けている、という感じです。
まぁ、もう10数年も乗ってると愛着も湧いちゃいますしね。このまま添い遂げようかと思います。
W.O.F
まずは基本的なことから。
ニュージーランドで車を所有していれば必ず耳にするW.O.F。
ウォフ、や、ダブリューオーエフ、などと読みます。
Warrant of Fitnessの略で、つまりは「車検」です。
今回はこのW.O.Fについてのアレコレをご紹介します。
車検期間
車検の期間はその車の新車当時の登録年によって異なるので注意が必要です。
新車登録された時期 | 付与される車検期間 |
---|---|
これから新車登録 | 3年 |
新車登録から2年以内 | 3回目の登録日まで |
新車登録から2年以上3年未満 | 12カ月 |
新車登録が2000年1月1日以降 | 12カ月 |
新車登録が2000年1月1日以前 | 6カ月 |
こだわった車種を選ぶ場合でない限り、2000年式以前の車を買うことは2023年の今となっては殆どないかと思いますが、もしそういう車を買う場合は、車検は6カ月毎に受けなければいけないということ覚えておきましょう。
話は逸れますが、こだわった車と言えば、GT Roman。
クルマ漫画です。高校生の頃、ドはまりして単行本を買い揃え何度も読みました。
簡単に内容を説明すると、クルマが無くては生きていけない人たちの話です。(笑)
イニシャルDみたいなチュウーンドカーでガンガン走り回るストーリーではなく、旧車大好きオーナーのカフェに集まる、こだわりの車好き達の人間ドラマ、といったところでしょうか。
作者の西風さんの絵に味があるんですよね。息遣いというか、車の躍動感というか、そういうのが伝わってくる漫画だと思います。
クルマがお好きな方にオススメですよ!
車検を受けれる場所
ニュージーランド国内の修理工場やディーラー、VTNZの各支店で車検を受けることができます。
因みに、修理工場やディーラーであれば車検に落ちた際の修理も行ってくれますが、VTNZは車検場なので車検に落ちた場合は、自分で修理するか、別の修理工場などで修理してもらう必要があります。
車検で検査されるところ
ひと言で車検と言っても、車の隅々まで検査するわけではありません。
道路を走るうえで、最低限必要な安全点検、と言ったところでしょうか。
検査項目は次の通りです。
- 溝の深さを含むタイヤの状態
- ブレーキの効き具合
- メインフレームの状態(錆等が厳しくチェックされます)
- ライト
- 窓ガラス
- ワイパーとウォッシャー液
- ドア
- シートベルト(ベルトの破損はもちろん過度な色褪せでも失格となります)
- エアバッグ
- スピードメーター
- ステアリングやサスペンション
- 排気系統
- 燃料系統
隅々まで検査するわけではないと書きましたが、検査対象個所は結構しっかりチェックされます。
今回、僕の車で指摘されたのは、
Front Sway Bar Link Rods
(スタビライザーリンクロッド。フロントサスペンションの一部です。ゴムブッシュの亀裂が見つかりました。)
Rear Right Shock Absorber(右後ろのショックアブソーバーのオイル漏れでした。)
この二つを交換しなさいということでした。
今回は二カ所ともよく見える部品だったので悪くなっているのがすぐに指摘されるのはわかりますが、実は見えにくい所の部品までしっかりチェックしていて、以前には、よくこんなところの不備を指摘したなぁ、と思うものもありました。
修理代を稼ごうとして適当なことを言っているのではなくて、本当に奥の方にあるゴムブッシュにひび割れがあったりするので、検査員の検査眼には恐れ入ります。
車検で検査されないところ
逆に、車検に合格したからといって、それで車の状態が完璧!というわけでもありません。
車検で見られる部分以外は、所有者が責任をもって安全・健全な状態を保つ必要があります。
車検で検査されないのは、
- エンジンやギアボックス、クラッチ、デファレンシャルなどの状態
- エンジンオイルなどの油量や状態
- ブレーキパッドの減り具合(明らかに少ない場合は指摘されます)
- 塗装の状態やメインフレーム以外の錆などの状態
です。
エンジンオイルや冷却水の量は、車の健康を保つのに必要なものですから、車のことがよくわからないという方でも、自分で確認できるようになっておいた方がいいでしょう。
車検ステッカー
車検に合格すると、検査員によって上記のような車検ステッカーが、フロントガラスの運転席側上部に貼れらます。実際に貼られるものは、車検期限の年と月に穴があけられるので、外から見た際に何年の何月までが有効なのかが分かるようになります。
そして、ステッカーの車内側には車検の期限の日付が記載されているので、ちゃんとチェックして期限を過ぎる前に車検を受けるようにしましょう。期日の2週間前からであれば、いつ受けても期限日に更新したことになりますので、早めに検査を受けると安心ですね。(もちろん、期日までに車検に合格する必要があります。)
巷では、車検に落ちてから1か月以内なら、部品待ちだとか修理の予約待ちだと言えば見逃してもらえる、という話もまことしやかにされていますが(かくいう僕もそう言われて信じてました。)、これは間違い。
実際は、検査を通らなかった時点で、公道を運行するのには不適切な車の状態だと判断されているので、前述の例外を除いて、車検に合格するまで道路を運転してはいけません。
でもこれ、実は難しい場合もありますよね。
一家に一台しかなくて、しかも通勤又は通学に必要という人は多いと思います。そういう場合はどうしたらいいんでしょうね。。。レンタカーとかでしょうか。。。
修理工場とかから代車が借りられれば、その間の足には困らないかも知れませんけど、ニュージーランドの修理工場って代車を持ってないところも多いですしね。
僕の住むような僻地だと、大人1人につき車は1台ないとめちゃくちゃ不便なので、大体の田舎の家は2~3台あるんですよ。なので、そういう家庭はやりくりは可能ですけど、都会だとそうもいかないですもんね。
で、車検に通らなかった場合は、指摘された部分を修理し、修理を終えたら再車検を受けなければならないわけですが、この再車検は最初に車検を受けた検査場または修理工場で受けなければいけない決まりです。
なお、再車検は最初に受けた日から28日以内に受けなければいけません。この期間中であれば無料で再検査してもらえますが、もし28日間を過ぎてしまった場合は、一から車検のやり直しとなり、検査料を全額支払う必要があります。
また、最初から検査のやり直しなので、最悪の場合、最初に指摘されて修理した部分とは別の個所を指摘されて再び車検に落ちる可能性もないとは言えませんので、ちゃんと再検査として見てもらえる期間内に受けるようにしましょう。
尚、ほとんどの検査場や修理工場ではこの再検査は予約不要なので、修理が終わったらすぐに持ち込んで再検査を受けることができます。
再検査で合格すれば新しい車検ステッカーを貼ってもらえて、晴れて公道を走ることができるようになる、というわけです。
レジストレーション
最後に、車検とは違いますが、Registrationについても書いておきますね。
RegやRegoと略されることもよくありますね。
ニュージーランドにお住いの方なら、こういうラベルがフロントガラスの助手席側の下の方に掲示されているのを見たこともおありだと思います。
レジストレーションは所謂、車の登録税です。ナンバープレートを保持する意味合いもあります。このラベルは、レジストレーション支払い証といったところでしょうか。
路上を走る車は全て、有効なこのラベルを掲示しておく必要があります。
そして、このレジストレーションは、車が車検に合格している状態じゃないと支払うことができません。なので、もしお持ちの車が車検に不合格、または、車検期限を過ぎているのに検査を受けていない状態だと、その状態の時にレジストレーションの期限が過ぎても支払うことができないので、レジストレーションも切れたままになってしまうので注意が必要です。
レジストレーションは最寄りの郵便局で払うか、もしくはNZ Transport Agencyのサイトでも支払うことができます。オンラインで支払する場合は、若干安くなりますので、オンラインがオススメです。
但し、オンラインで支払いした場合は、ラベルが郵送されてくるのに少々日数がかかりますので、前もって手続した方がいいでしょう。新しいレジストレーションの支払いがギリギリになってしまった場合は郵便局で支払いをすれば、その場でラベルを貰えます。
ロードユーザーチャージ
レジストレーションの話が出たのでついでにロードユーザーチャージについても書いておきましょう。
これはRoad User Chargeといい、RUCと略されています。道路使用税みたいなものです。前述のRegoと同様に、フロントガラスの助手席側下部に掲示しなくてはなりません。また、走行距離に対して前払いするシステムなので、支払い分の走行距離を超える前に新しいRUCラベルに替えておかなければならないことも覚えておきましょう。
しかしこのRUC、実はあまり馴染みがない人も多いかと思います。というのも、ガソリンエンジンではない普通車や3.5トン以上のトラックなどが支払い義務の対象なのです。
つまりはディーゼルエンジン車は全て、ですね。
「ガソリンエンジン以外の普通車」であれば、電気自動車も支払い対象になるはずですが、今のところNZ政府は、電気自動車販売促進のために電気自動車に対しては2024年3月31日までRUCの支払い義務を免除しています。(2023年8月23日現在)
今回の記事の情報はWAKA KOTAHI/NZ Transport Agency(ニュージーランド運輸省)のサイトでも確認できます。
以上、ニュージーランドでの自動車の車検等についてでした。お役に立てていれば幸いです。
それではみなさん、今日も安全運転でどうぞ!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!